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当世ビジネス芯話 社長は見られている⑰ やはり、金の使い方は難しい

以前、金の使い方について触れたことがあった。
一般論で言えば、人よりも金を稼ぐことは難しい。
モノが売れない時代、そして、ITが発達し金と力を持つ人のところに、より情報や金が集まる時代となった今、一部の人たちに富が集中するのは当然ともいえるだろう。

金の使い方が社会的評価に繋がる

しかし、事業に成功した偉人達の多くは、金の使い方の難しさも指摘している。
なぜか。どのようなモノやコトに金を使ったかということが、社会的な評価につながることを自身の体験などを通して知っていたからだと思われる。
特に商売人、経営者は、金の使いについていろいろな場面で注視される機会が多い。

昔の人は、倹約家は称えるがケチについては、批判的な目を向けてきた。
ケチと倹約家をどのように分けていたのだろうか。
日頃から無駄な経費を使わないよう心掛けている点は、ケチも倹約家も同じである。
しかし、ケチは貯めた金を自分の生活や趣味などのために使おうとする。
一方、倹約家は、貯めた金を従業員の教育や給料、顧客へのサービス向上、社会貢献事業などに使おうとする。
要は、使い方によって評価が分かれるということだ。

子孫のために金を使ったA社長と、地域の為に金を使ったB社長

例えば、株式上場を果たしたり会社を売却したりして莫大な金を手にした二人の社長がいるとする。
A社長は、手にした金でプライベートの充実と子孫の事を思い節税の限りを尽くし、無事に子供たちが生活に困らない金を残した。
B社長は教育機関や地域文化の振興、災害復興のために多くの金を使った。
A社長に問題があるということではないが、世間はB社長を高く評価するだろう。
よく、「自分も金があれば、世の中のためになる事業や文化的な活動に寄付したい」という発言を耳にするが、金を持っている人が皆、社会のために自分の金を使えるわけではない。

これは、生き方の問題である。
すぐに費用対効果があらわれるようなものを優先するのであれば、一〇〇〇円の寄付も勿体ないと思うだろう。
社会のために何かをしたいと考えているのであれば、寄付以外にも自分のできる範囲で何らかの行動を起こすし、B社長は成功する前から何かしら他人や社会に対して貢献することをやっていたはずである。

企業風土づくりとブランド向上につながる意識

「それぞれの町には、その格に合った文化がある。それを育て守るのは商売人である」といった財界人がいた。
文化水準が上がれば人が集まり、町が発展する。結局は、そこで経済活動を営む商売人にも利益をもたらすことになる。

商売人には是非、陰徳も含めて倹約家的な発想を持ち、地域文化や福祉に貢献する意識を持ってもらいたいものである。
そのことが、きっと自社の企業風土づくりやブランドの向上につながるものだと考える。

 

 

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