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経営者と税理士と節税 |第八三回 八五%の攻防と相互保険会社①

保険への課税ルールの見直し

先日、国税庁は、生命保険各社が販売している中小企業経営者向けの保険について、課税ルールの見直しを発表しました。
六月中に新ルールを適用するとしていましたが、アメリカのトランプ大統領来日の影響のためか七月になるようです。
なぜ、トランプ大統領が影響しているかは、後日、説明いたします。
新ルールでは、ピーク時の解約返戻率によって、損金算入割合を決めるというものになります。

返戻率によって損金算入割合が大きく変わってくる

適用される保険商品は、定期保険、逓増定期保険、長期平準定期、がん保険となります。
医療保険の短期払いについては、先述したトランプ大統領来日の影響と合わせて、後日、説明いたします。
養老保険には適用がありません。損金算入割合は次のようになります。

返戻率が八五%を超えるか超えないかで、損金算入割合が四〇%か一〇%となり、大き変わってくることとなります。
おそらく、多くの保険会社が最高返戻率八五%を超えないような商品を販売することになるのでしょう。

保険契約者へより多くの配当をまわしている生命保険会社

ここで、注目しなければならないのは、この返戻金(返戻率)に配当は含まれないということです。
近年は保険の満期金や解約返戻金に配当金が乗っている契約は少なくなっています。

しかし、株式会社ではない、つまり相互会社の生命保険会社においては、株主への配当が必要ありませんので、より多くの剰余金を保険契約者への配当にまわすことが可能となります。
相互会社である生命保険会社は、現在、朝日生命、住友生命、日本生命、富国生命、明治安田生命(五〇音順)の五社であり、この各社とも法人向けの商品を販売しています。
実際、継続的に保険金や解約返戻金に一定割合の配当金を上乗せして支払いを行っている保険会社や保険商品があります。

次回は、今後の法人向けの保険商品の詳細について、もう少しお話を進めてまいります。

このような状況の中、決算対策・企業防衛・資金繰り対策の保険商品の選択肢は少なくなっています。
企業経営に効果的な生命保険商品にご興味があるかたは、ご連絡ください。

 

井上税理士事務所
代表・井上 伸一

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