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当世ビジネス芯話 社長は見られている⑱ 外から見る目を養う

日本経済の弱さと明るさ

先日、ある経営者の講演を聞く機会を得た。
この方は、国内外で一〇社以上の会社を経営している。
日本経済の現状について、様々な資料を基に的を射た話をされた。
詳細については、別の機会で紹介したいと思うが、政府が好調ぶりをアピールする内容とは明らかに違っているということが理解できた。
それは、日頃から接している中小企業の経営者が口にする日本経済の弱さを的確に表しているものだった。

一方、日本の将来に明るさも感じた。
日本は、お家芸とも言えたものづくりに関わる企業が安い労働力を求めて海外に出ていき、日本の製造業は空洞化してしまった。
それに伴い、優秀な技術者が減少している。おまけに、深刻な人手不足が企業を苦しめている。
国内でも日本の製造業の将来に悲観的な見方をする向きもある。
しかし、今回の講演で、日本の第二次産業には可能性があると言われた。

世界から求められているもの

これまでは、同じ商品なら価格の安いモノが求められたことから、中国やアジア諸国で生産されたモノが日本企業のシェアを奪い、世界中を席巻した。
そのため、日本企業もこぞって、生産コストの安いアジアなどに生産拠点をシフトした。
価格こそが力だったからである。それは、富める国とそうでない国との格差が大きかったからだともいえる。
ところが今は、その格差が小さくなろうとしている。

アジアをはじめ、世界が豊かになってきたということだ。
そのため、世界が品質の高いものを求め始めた。同じ製品でも、安くて壊れやすいものは後々のメンテナンス費用が必要になる。
一方、高くても壊れない製品なら、メンテナンスコストがかからない。世界が求め始めたのは、高くても品質がしっかりしている壊れない製品だという。

日本が目指すべきものづくり

今、海外から日本のものづくりの高さが再評価されている。
日本製品でも海外で作ったものではなく、日本国内で生産された日本製品が欲しいというわけだ。
日本企業が工夫や改善を重ね、品質を極限まで高める品質管理がいかに優れているかを世界は知っている。
しかも、同じグループ会社であっても日本国内が最高の水準であることも。

日本の経営者も、こうした世界の評価が変化していることを知って欲しい。
そのためにも海外の情報に敏感になり、外から日本を見る目を養う必要があると思うし、それは中小企業経営者も同じだ。

情報化社会となっても、それを支えるのは高度なものづくりの技術である。
「ナンバーワンでなければいけないのか」といった政治家もいたが、日本ブランドが世界と戦うためにも品質ナンバーワンを目指して欲しい。
そして、日本国内でもものづくりが活発になり、日本経済を押し上げる力になることを期待したい。

 

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