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96. 『ココとリトル・ブラック・ドレス』

○○の秋と言えば、食欲、読書、スポーツと並んで芸術、ファッションの秋と浮かんでくる。
その秋にちなみ、今月はモード界を牽引し女性の美の追求をしたココ・シャネルの代表作であるブラックドレスができるまでが描かれた絵本をご紹介したい。

ココ・シャネルは、女性をあらゆることから解放し、歴史を動かしてきた人だ。
それは、彼女の死を報じた記事に「(シャネルがつくりだしたのは)『単なるモードではなく、スタイルだった』」と書かれたことからも見えてくる。
(「ココ・シャネルという生き方」山口路子著)
ただ、ファッション界をリードしたというより、女性の美しい生き方という社会の扉を開けた人なのだ。

彼女は、一九一〇年にパリで帽子店を開く。
そこから、大げさな羽飾りのついた帽子を小さくし、乗馬ズボンをつくって、乗馬を始めた。
美しさと豪華さを競うドレスも窮屈なコルセットから解放し、ジャージ素材をつかったシンプルなワンピースをつくった。
社交場にふさわしい色ではないと敬遠された黒いドレスを生み出した。
髪を短くし、セーラカラー、パンタロンとのボーイッシュなスタイルをつくった。
女性だからと言われることを嫌い仕事に生き、成功と共に多くの奉仕活動も行った。
シャネルのNO五に代表される香水、チェーンベルトのハンドバック、リップスティックなど生み出し時代をリードした。

一九五五年七一歳の時に、シャネルスーツを発表。
なんと私が生まれるたった数年前に発表されたモードだったのだ。
こんなことも考えながら、シャネルの強烈な人生を回想して絵本の最後のページをめくると、そこには、年齢や体形、肌の色の違う多くの女性が、ブラックドレスに身を包んだ様子がある。
まるで、絵本をめくる多くの少女が、ココに倣って誰も成し得なかったことにチャレンジする勇気を得れるように・・と言っているようにみえる。
ブラックドレスは、女性解放を映し出している。
彼女は、所有することを嫌い、執着は醜いことだと考えていた。
多くの人を支援したが、一度もそれを公にしたことはなかった。
いつの時も目の前のたった一人のかけがえのない人間であるためにいつも生きていた彼女。
彼女はモードだけでなく人も残した。

彼女の生涯を読み、ドラッカーの「あなたは何によって憶えられたいか」の言葉が頭の中に繰り返し立ち上がってくる。
ココ・シャネルにはなれないが、ココ・シャネルの生き方に学ぶことはできる。
あなたは、何によって憶えられたいですか?

有限会社ウーヴル(https://oeuvre.jp/
代表取締役 三宅 美穂子

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