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当世ビジネス芯話 社長は見られている⑲ 孤立させない

ネット社会によって起こりうる社会的損失

ネット社会になって、誰でも自分の情報や意見を発信できるようになった。
一部のメディアに独占されていた情報発信の分野が、個人に開放されたことは画期的なことである。
しかし、直接顔を合わせないという状況では、人は攻撃的になりやすいようだ。
当事者でもない人間が他人を批判する。
いじめ社会を助長する環境にあると思われる。いじめは、人を孤立させる。
孤立した人たちは、不登校や出社拒否などの行動を起こす。
そして社会と隔絶していく。大きな社会的損失となる。

孤立によって人は心身ともに疲弊していく

会社という組織においても孤立するケースをよく耳にする。
例えば、あるプロジェクトを立ち上げる際、プロジェクトリーダーを中心に物事を進める。
プロジェクトによっては、他の部署との連携が必要になるものもある。
思うように成果が上がれば、何も問題はない。
しかし、必ずしもうまく行くとは限らない。

熱意と責任感を抱いて取り組むリーダーは、周りの意識を高めようとコミュニケーションを図りながらプロジェクトをまとめようとする。
しかし、リーダーの熱意と反比例するように、仕事が増えることに対して不満を抱く者、冷ややかに受け止める者、高みの見物を決め込む者もいる。
熱意を持ったリーダーも徐々に疲れてくる。自分の思いが伝わっていないことを感じ孤立する。

周りが動かないのは、違う方法を模索すべきだというヒントでもあるが、孤立させる風土が組織に染みついている場合は問題である。
手法を変えるべきだろうということにもリーダーは気づいているかもしれない。
しかし、余裕がなくなると、変えようとする判断すらできなくなる。
リーダーの多くは孤立を感じる。孤立を感じるようになると、人はそれと戦うためにかなりのエネルギーを要する。
そうやって心身ともに疲弊していく。

孤立を防ぐ風土を築き、組織内で意識していくこと

組織の中で、孤立を防ぐためにはどうすれば良いのか。
本人のコミュニケーション能力を高めたり、精神的にもっとタフになれば良いのかもしれないが、そう簡単ではない。
相手を攻撃したり批判することで、自分の地位や価値が高まると考える人もいるが、攻撃された方は精神的なダメージを受け、孤立に落ち込んでしまう。

孤立を防ぐために有効なのは、仲間をつくることである。
仲間とは同僚だけでなく、上司や後輩も含まれる。
仲間がサポートしたり寄り添って話を聞き、協力するなどして支え合う関係を築くことが必要だろう。
組織であれば、そうした風土を醸成していくことではないかと考える。

そのためには、会話が必要である。面と向かって話すことだ。
隣の席の人とメールで会話することで、孤立が解消できるだろうか。
互いを認め合った中での関係を築いていかないと、孤立はなくならない。
これから、組織内での孤立はさらに増え、問題になると思われる。
経営者には是非、組織内の孤立を防ぐ意識を持ってもいただきたい。

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