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97.『ぼくはなきました』

会社は河童である!と言った人がいる。
会社とは、会社法によって取り決められた実態のない妖怪のようなもの。
実態がないから、とりあえず、河童とでも言っておきましょう・・・という具合だ。
「一〇〇人一〇〇通りの働き方」を提唱している、グループウェアの会社「サイボウズ」の青野社長のお話にあった。

その名言通り、サイボウズには様々な働き方で社員の人生設計を応援するしくみがある。
働き方改革ではなくて、働き方開拓と呼ぶそうだ。
また、多様性を目指すダイバーシティ経営ではなく、すでに十分多様なメンバーが集まっていると考える包括型の経営をしている。
それは、一人一人違う個性を石垣のように積み上げ、強固なチームワークを以て『理想』の実現を目指していること、常に、社員一人一人と向き合っていること、あほはいいけど嘘はだめと正直になんでも言えること、など、今の社風を時間をかけて作ってきたという。
このプロセスがご著書でよくわかる(ダイヤモンド出版:チームのことだけ考えた)。

その青野社長の話を聞きながら、「この会社には、自分の強みもチームメンバーの強みも理解できるほどに、対話してきたのだろうな」・・と想像した。
その対話について考えさせられる絵本を今月ご紹介しよう。

授業中に「参観日に発表する『じぶんのいいところ』」を書くことになった。
そうたくんは、友達のいいところはみつけられるのに、自分のいいところは考えても考えても浮かばない。
書けなくて泣きそうになった時、先生が「ともだちのいいところをたくさん見つける」ことと引き出してくれた。
「先生、ぼくはうれしくて・・・」。

作家、くすのきしげのりさんの絵本は、どれも心がキューンと音を立てる。
「おこだてませんように」同様、読み終えて、ジーンとして、そうたくんをハグしたくなった。
意外と自分で自分のよいところはわからないものだが、他人のダメなところはすぐにわかる。

日本も絵本のように、自分と他人の違いを知り自分の強みを生かす教育が、幼児期から進んでいる。
そのうち、私のいいところは○○です。と言い切る新入社員と仕事をするのだ。
ということは、相手を否定から入る目線は、早いうちに矯正したほうがいいかもしれない。
相手が気づかない相手のよいところを引き出す石垣経営こそ、未来を拓くのだから。

あなたは、一緒に働く人のよいところを見つけることができていますか?

有限会社ウーヴル(https://oeuvre.jp/
代表取締役 三宅 美穂子

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