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労働時間の考え方について②

前回のコラムでは、中小企業でも二〇二〇年四月から「時間外労働の上限規制」が適用されるようになることを踏まえ、研修や教育訓練等の労働時間の考え方についてお話させていただきました。

労働時間の前後は労働時間に該当するか

では、「更衣時間」や「掃除」など、労働時間の前後の時間は、労働時間に該当するかどうかをみていきましょう。
更衣時間については、制服や作業着の着用が任意であったり、自宅からの着用を認めているような場合には、労働時間に該当しません。
労働者には作業に適した服装で労務を提供する義務が本来あるからです。
しかし、それが本来の業務に必要不可欠で行わなければならない場合、例えば保護衣や保護具の装着が義務付けられている場合などは労働時間になります。
掃除においても、本来の業務に必要不可欠で行わなければならないような準備や後始末は労働時間にあたります。

また、通勤に伴い、交通混雑の回避や会社の専用駐車場スペース確保等の理由で労働者が自発的に始業時間より前に到着し、始業開始までの間、業務に従事しておらず業務の指示を受けていないような場合は、労働時間に該当しません。

直行直帰や出張の移動時間は含まれるか

では、「直行直帰」や「出張」に伴う移動時間はどうでしょうか。
移動中に業務の指示を受けず、業務に従事することもなく、移動手段の指示も受けず、自由な利用が保障されているような場合には、労働時間に該当しません。
実際の労務提供は目的地で開始されるものであり、労働者は移動時間中の過ごし方を自由に決めることができることから、使用者の指揮命令が全く及んでいない状態で労働時間には当たらないと考えます。
しかし、出張の目的が運搬であり、移動中もその物品を監視しなければならない等、出張の移動そのものが業務性を有するような場合は労働時間になります。

労働時間の管理を的確に行うため、労働時間について少しでも理解を深めて頂けたらと思います。

中原労務管理事務所代表
中原 正晴

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