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第47回 新しい時代の幕開け

二六年間の職務を辞する

平成六年三月一日、三九歳の年に一人で初めた「加藤合同国際特許事務所」の代表を本年末で辞することとした。
来年からは会長として代表の経営をサポートする。
二六年間九四三七日の長きにわたり事務所代表を務めさせていただいたことになる。

知的財産制度を取り巻く状況が激変する中で、経営的に大変なことの連続であったが、振り返ってみると、あっという間の二六年間であった。
これも多くの人のお陰に他ならない。お客様、所員をはじめ様々な面で私を支えたいただいた全ての方々にこころから御礼を申し上げます。

余力を残したまま次世代へ託した理由

下のグラフはこの二六年間の私の通信簿(売り上げの推移)である。

まだまだ仕事が十分にできる余力を残した状態で、世代交代を決意したのは、以下の理由による。
①特許や商標等の知的財産権は一〇年、二〇年間継続するものであり、特許事務所経営者は二〇年後にも責任を持てる人材がやるべきと考えること。
②知的財産制度の活用が今までの大企業中心から中小企業へも浸透しつつあり、大企業とは異なる新しい発想と行動力で、中小企業への知財支援サービスを構築し積極的に提供していかなければならないこと。
③まだまだ元気とは言え、六五歳という年齢は多くの人がリタイヤする年であり、今後健康リスクは毎年高まっていく。
代表を交代し側面からサポートすることで、私が突然仕事ができない状況になったとしても、その影響が最小にとどまるように元気なうちから準備をしたいこと。

考えに考え、決めたこと

次世代に引き継ぐにあたり、私なりにいろいろと考えた。
加藤合同国際特許事務所は言うならば私が産み落とした子供同然であり、代表を辞したあとも、また死んで灰になってもどこかで見守る気持ちに変わりはない。
だからと言って、形だけ代表を引いて実権を持つ院政を引いても全く意味がない。
どのようにすることが後を任せる人たちに希望を与えやる気を起こさせることができるか、お客様のためになるか、必死に考えた。
そして以下のことを決めた。
①健康上の問題がなければ最長五年間は会長として経営をサポートする。
②次期代表のほかに経営に参画する者ニ名を指名し、合計三名で経営会議を構成し、ここで重要事項は決定する。私は意見を述べるが決定権はない。
③会長在任中と言えども、会長として不適切と判断された場合、経営会議の議決によりいつでも解任することができる。

心配と安心の狭間でも、次のステージへ

おそらく会長になっても心配事は少しも減らないと思う。
とは言え、私がいなくなってもやっていける体制ができることは大きな安心である。
そうなれば、この仕事に就いたときからの夢、私のライフワークである、「知財制度を活用した中小企業の活性化支援」にまい進することとする。
一日一日、志半ばでいつ死んでも後悔の無い生き方をしたい。

新しい時代の幕開けである。

加藤合同国際特許事務所
代表・弁理士 加藤 久

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