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新型コロナウイルスで影響を受ける 中小企業への支援策

様々な業界がダメージを受けている

新型コロナウイルスによって多くの業界に影響が出始めている。
感染の拡大に伴い、マスクや殺菌剤などが品薄となるなど混乱をきたしている。
品薄となったのは、商品や容器などを中国からの輸入に頼っているためだが、他にも住宅資材など中国から輸入しているものは多い。
中国で生産活動が再開されるまでは、今の状態が続くとみられている。
また、政府が人の集まるイベントや会場の利用について自粛を要請したことで、イベント関係の中止が相次ぎ、イベント企画や会場設営、運営、広告関係など関連する多くの業界が損害を受けている。
コンサートや学会、スポーツ大会といったイベントの自粛は、ホテルや旅館など宿泊の売上にもダメージを与えている。
飲食業界でも影響は出ているようだ。
大型の店舗では、自粛ムードで宴会のキャンセルが出ている。
東京や大阪の本社から福岡に社長や役員が来ると、社員を伴った懇親会などを催すところもあるが、人の移動が減ってしまい、そうした宴会需要も減っている。
学校の卒業式の中止などは謝恩会にも影響するだろう。
三月、四月は歓送迎会シーズンで飲食店にとっては繁忙期のはずだが、今年は様子が変わるかもしれない。
他にも多くの業界で影響が出ている。
直接的な影響がない会社でも、そうした業界を得意先にしているような会社は少なからず影響を受けることになる。
これだけ経済が複雑化すると、何らかの影響を受けるものだと考えた方がよいだろう。
新型コロナウイルスの感染がいつ頃収束するのかについては、現段階では予測が立たない。
感染の影響が長引けば、売り上げの低迷が続き、それだけ、資金繰りなどの経営面が厳しくなる会社が増えることになる。
経営基盤が弱い中小企業にとっては切実な問題となるだろう。

国や自治体が支援策を打ち出す

こうした状況に対して、政府や自治体も対応策を打ち出しはじめたので、施策の幾つかを紹介する。
経済産業省は新型コロナウイルス感染症で影響を受けている事業者の支援策を打ち出した。
支援策の柱は、「資金繰り」「設備投資・販路開拓」「経営環境の整備」の三つである。

資金繰り支援

「資金繰り支援」では、
・セーフティネット保証四号・五号の発動
・セーフティネット貸付の要件緩和
・衛生環境激変対策特別貸付
・金融機関等への配慮要請
を行う。

■セーフティネット保証四号・五号の発動
セーフティネット四号は、自然災害等によって幅広い業種で経営の安定に支障を生じている地域について、中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務の一〇〇%を保証する制度である。
売上高が前年度比で二〇%以上減少するなどの場合とされているが、最大二・八億円の枠が設けられている。
福岡市も経済産業省の今回の発動を受けて、直近一カ月の売り上げが前年同期比二〇%以上減少し、その後二カ月を含む三カ月間も同水準の落ち込みが見込まれる市内の中小企業、小規模事業者に向けた金融支援制度で、融資限度額を一億円、融資期間は一〇年以内、利率一・三%とし、信用保証料率〇・八%を市が全額負担する施策を打ち出した。
受付窓口は、福岡市中小企業サポートセンター(電話〇九二・四四一・二一七一)。
セーフティネット保証五号は、全国的に業況の悪化している業種に属することにより、経営の安定に支障が生じている中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で八〇%保証を行う制度である。
五号も四号と同じ二・八億円の枠を設けている。(売上高が前年同月比五%以上減少等の場合)。指定業種については、旅行業や宿泊業、飲食業など四〇業種が決定している。詳細は、経済産業省・中企庁ホームページで確認できる。

■セーフティネット貸付の要件緩和
セーフティネット貸付とは、社会的、経済的な環境の変化などの外的要因により、一時的に売上の減少など業況が悪化しているが、中期的にはその業績が回復、発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を支援する融資制度。
運転資金や設備資金が対象となり、融資限度額は、中小事業で七・二億円(基準金利一・一%)、国民事業で四八〇〇万円(基準金利一・九一%)。
金利は、貸付期間や担保の有無によって変動する。
今回の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置として、要件を緩和し、「売上高が五%以上減少」といった数値要件にかかわらず、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象となる。
詳しくは日本政策金融公庫または沖縄振興 開発金融公庫に問合せいただきたい。

■衛生環境激変対策特別貸付
新型コロナウイルス感染症の発生により、一時的な業況悪化 から資金繰りに支障を来している旅館業や飲食店営業、喫茶店営業者の運転資金として融資限度額を別枠一〇〇〇万円(旅館業は別枠三〇〇〇万円)設けた。
基準金利は一・九一%。

■金融機関等への配慮要請
政府系金融機関等に対して、
・適時適切な貸出
・返済猶予等の既往債務の条件変更
・企業の実績に応じた十分な対応
・セーフティネット貸付の活用(日本政策金融公庫 および沖縄振興開発金融公庫に対して)を要請しているが、民間金融機関に対しても、
・事業者を訪問するなどの丁寧な経営相談
・経営の継続に必要な資金の供給
・既存融資の条件変更等
など積極的な支援を求めている。

設備投資・販路開拓支援

「設備投資・販路開拓支援」では、
・ものづくり・商業・サービス補助金
・持続化補助金
・IT導入補助金
を活用した支援を打ち出した。

経営環境の整備

また、「経営環境の整備」では
・下請け取引配慮要請
・官公需における配慮要請
・雇用調整助成金の特例措置
・小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援
・現地進出企業・現地情報及びジェトロ相談窓口
・輸出入手続きの緩和
などでの支援を行う。

詳細な情報は、経済産業省HP特設ページで掲載されているので、是非、ご覧いただきたい。
とにかく、一刻も早く通常の状態に戻ることを願うばかりだが、チャンスと捉える発想も必要だろう。
多くの経済団体や交流会などが会合の開催を自粛しているため、その分、経営者は時間ができるはずである。
そうした時に、新しい事業の構想を練ったり、従業員と会話したりする時間を増やすなど内部の充実を図ることもできるだろう。
また、テレワーク時代を見据えたITの導入や仕組みづくりもできるだろう。
視点を変えれば、違う考え方、動きもできるはずであろう。
現在の混乱が収束した時に、十分に力を発揮できるよう備える時期でもあるかもしれない。

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