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経営者と税理士と節税 |第九一回 M&Aというけれど③

先日からお話ししている会社の売り買いの案件の条件が決まりました。
●株式は額面にて譲渡
●前社長と奥さんである前専務に退職金
●前社長に退職時の半分の役員報酬を一年間支給して引き継ぎ作業を行う
という内容です。
買い手からすると、少々高い買い物に思えましたが、どうしても欲しい業務内容の法人であったため、仕方ないのかなという感じです。

これまで、お話したように、第三者とのM&Aは面倒な手続きを踏む必要があり、結婚のようなものなので、上手く成就する場合もあれば、お見合いの段階で物別れになることも多々あります。そもそも、売り手さんは、最も条件の良い買い手さんと話を進めたいので、同時期に多数の相手とお見合い(面談・交渉)を進めるのが一般的です。
皆さんも新しい税理士と契約を結ぶ際に、それなりの数の税理士と面談して契約に至るでしょうから同じですね。

さて、今回は同族会社内での合併等についてです。
一般的に同族間での合併は、非常に簡単です。
手続きにおいても税務においても。
私が合併をお勧めする際の理由は、通常、次の二つです。

①繰越欠損金の有効活用
グループ内にいくつか法人があって、その中の一つに多くの欠損金を持っている場合があります。
どうしても、その法人が単独で存在していないといけないというのでなければ、利益が出ている会社と合併することにより、法人税の圧縮が可能です。
このあたりは、条件さえ満たしておけば、税務上、全く不安な要素はありません。

②経営の効率化
合併当初は、面倒な手続きがあるかもしれませんが、合併すれば、二社が一社になるので、決算は一度で済みます。
もっと言えば、税理士報酬も半分程度になるかもしれません。
このような理由や手続きが面倒(本当は、それほどでもない)といったような理由で、税理士が合併を勧めないという話も聞いたこともあります。
私の場合は合併後もそれなりにいただいておりますが。
次回は、分割・営業譲渡についてお話をしてまいります。

井上税理士事務所
代表 井上 伸一

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