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当世ビジネス芯話㉗ 自粛期間は「内観」の時期かもしれない

「生き残るのは強い者ではなく、変化に対応できる者」と言われる。
時代の変化に如何に対応するかは生き残る条件であろう。
それは、これまでの歴史が証明している。

若者が時代に変化をもたらす

ビル・ゲイツは、『グーグル秘録』を著した著者のインタビューを受けた。
「ウインドウズ98」を出し、最も成功した経営者となったビルに対して、「最も恐れている挑戦者は?」の問いを投げかけた。
ビルは、「どこかのガレージで、まったく新しい何かを生み出している連中だ」と答えた。
OSに革新をもたらしたのはビル・ゲイツであるが、次代を創るのは自分や同世代のライバルたちではなく、まだ世に出ていない若い世代だということを言っているのだろう。
若者が時代に変化をもたらし、新しい流れをつくって来た。
歴史はその繰り返しである。

新型コロナウイルスの感染が拡大しているが、それが収束した後には、企業を取り巻く環境は大きく変化しているに違いない。
テレワークの普及によるwebを活用した仕事の仕方が一般的になると、移動時間や移動のためのコストが大幅に削減される。
少し前なら「アポイントを取る場合は、電話ではなくメールで連絡をして欲しい」と若い経営者に言われていたことに違和感を覚えていたものだが、これからは、会う必然性のない場合は、メールとweb会議で済ませるようになるだろう。

先人たちも過去から学ぶ

だからといって、何でも変えれば良いというものではない。
変えるべきものと変えてはいけないものがあるはずである。
戦略や戦術は、変化に合わせて変えていかなければならないが、理念など事業の根幹をなすものは簡単に変えるべきではないように思う。
新型コロナウイルス問題で、世の中が混沌としている今、私たちは変化を求められると同時に、生き様を問われているのではなかろうか。
このような時、先人たちは、古典を紐解いたようだ。
例えば、中国戦国時代末の思想家・荀子は、先義後利の考えを説いている。

義を先にして利を後にする者には栄あり
利を先にして義を後にする者には辱あり
栄なる者は常に通じ
辱なる者は常に窮す
通ずる者は常に人を制し
窮する者は常に人に制せらる
是れ栄と辱の大分なり

「近江商人の商売十訓」では、

・商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり
・売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる
・資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし
・無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れと
教えている。

様々な自粛で行動が制限されている時期ではあるが、私たちがビジネスで大切にすべきものを見つめ直す「内観」の時期でもあるかもしれない。

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