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105.『とびきりおいしいデザート』

 

緊急事態宣言が解かれた日、学校再開と同時に配られたフェイスシールドに驚いた。
しかし、レジカウンターのビニールカーテンなどのように今に見慣れてしなうのだろうか。
ソーシャルディスタンスという新しい生活様式が、まるで、映画のように感じるこの頃。
海外では、すでにエレベーターの操作でさえ足で行われていた。
オンライン○○・・・この、リモートでのコミュニケーションになれて、かえって心地よくなったとしたら、どうなんだろう。
人との接触において常に不安が伴えば、これからの生活様式は、いかに感染と闘うか!が選択基準になるのだろうか。

五月に、NHK放送プロフェッショナル仕事の流儀で、『緊急企画!プロのおうちごはん』があった。うちで過ごす時間を一緒に乗り越えるために、プロの技を惜しげもなく公開してくれるチャレンジャーな一流料理人たち。
文字通り、「暮らし方は変化しても、おいしいものは変わらない」を、今を生きる力として届けてくれていた。

今月はこの「おいしいもの」を三〇〇年前にさかのぼり、一〇〇年毎に変化した生活様式と、三〇〇年も変わらず愛されたデザートについて描かれた、四つの時代の物語絵本をご紹介したい。

絵本の「おいしいもの」とは、「ブラックベリー・フール」のことだ。
フルーチェというハウス食品のインスタントデザートを想像してもらえばイメージできるだろうか。

このデザート、三〇〇年前は、当然、今のようにフードプロセッサーも、電動泡だて器も、冷蔵庫もなかった。
生クリームをホイップするのに、木の枝を束ねたものが使われていた。
絵を描いた画家も試してみたが、枝の破片が入ったり想像以上だったようだ。

時代で違うのは作り方や道具だけでない。
家族の在り方も、食卓のだんらん風景も違う。
「誰が創るのか」にも時代が見える。
「デザートを冷やす」という行為も、いかにして冷蔵庫まで進化したのか、興味深く読める。
しかし、どの時代も、小さなこどもが、器に盛りつけた後ボールに残ったブラックベリー・フールをすくって食べるすてきな後片づけがあったことが書かれている。
おいしいものはどんな時代も最後まで味わいつくしたいもの。

ウィルスが変えたものは大きい。
だけど、「暮らし方は変化しても、おいしいものは変わらない」私たちは、あらゆることに順応して、これからも今をしっかり楽しんで生きていきたい。

有限会社ウーヴル(https://oeuvre.jp/
代表取締役 三宅 美穂子

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