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経営者と税理士と節税 |第九五回 医療法人と税金 法人化のメリット①

医療法人の設立に関する説明会

例年、医療法人の設立に関する説明会は六月と一〇月に開催されます。
歯科や医師会に加入していない場合は、県が開催の説明会に参加し、医師会に加入している方は医師会が開催する説明会に参加することにより、設立のスタートとなります。
今回の説明会は新型コロナウィルスの影響により例年と違った形で開催されましたが、参加人数はいつもと変わらないようでした。

医療法人での経営

医科や歯科を経営する先生は一定の事業規模になると個人経営から法人経営への移行、つまり医療法人での経営を考える方が多くなると思います。
よくある質問に「利益がどれくらい以上になると医療法人にしたほうが良いですか」というものがあります。
この質問の回答は簡単ではありません。
それは人によって「良い」と思うことが違うからです。
税務上のメリット、つまり法人税と所得税を一円でも少なくしたいと思えば、普通の生活が出来る程度の利益が出ていれば「法人成り」のメリットはあります。
ただ、法人化により税金が一〇万円しか少なくならいならばどうでしょうか。

法人化により、社会保険への加入が義務となりますし、自分の病院や診療所で自分を診ることが出来なくなるかもしれません。
理事長先生は「サラリーマン社長」になりますから自分が稼いだお金を自由に使えなく(法人のお金は自由に使えません)なります。
そのほか、挙げればもっと沢山の不自由なことがあるかもしれません。

側面から検討する必要がある

税務面のメリットを中心に法人化を検討する場合が多いと思いますが、それ以外の様々な側面から検討する必要があります。
当たり前ですが、株式会社と医療法人は違います。
株式会社では出来ることが、医療法人では出来ない場合もあります。
そういうことを知らないまま、(知っているけれど、気づかないふりをしている?)、経営を行っている先生も見受けられます。
平成一九年の第五次医療法改正により、医療法人制度は大きく変わりました。

これから数回にわたって、税務面を中心に考えてしまうあまり、見落としてしまいがちな医療法人での失敗事案や注意事案を私の経験も踏まえてお話していこうと思います。

井上税理士事務所
代表 井上 伸一

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