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経営者と税理士と節税 |第九六回 医療法人と税金 法人化のメリット②

診療所や病院の法人化

診療所や病院の法人化には建前と本音があります。建前としては、
①医療施設の永続性を図るため
②資本の集積を可能にするため
③医療設備の充実を図るため
④家計と分離することにより医療経営の近代化を図るため

といったような事が挙げられ、実際に医療法人を設立する際には、このどれかに〇(マル)を付けて申請することになります。

しかし、実際には法人化の目的の多くは「節税」ですね。
私も現在進行形で、二件の医療法人(歯科と婦人科)の設立のお手伝いをしていますが、両方とも目的としては「手残りを増やしたい」ということであり、つまり節税です。

節税効果

どうして法人化すると節税になるのでしょうか。
法人の運営には、一般に三つの税金がかかわってきます。
法人の所得にかかる法人税、給与にかかる所得税、それから消費税です。
歯科や婦人科の中には、消費税の申告が必要なところもありますが、多くの場合、消費税の申告は必要ありませんので、法人税と所得税のバランスを考えながらの法人運営となります。
個人経営から法人経営になることにより、事業所得から給与所得になります。
給与所得には「給与所得控除」がありますので、これだけでも課税される所得が少なくなります。
以前は、給与所得が増えれば増えるほど、この給与所得控除も増えていましたが、現在は一定の給与額で頭打ちとなっていますが、それでも大きな節税効果はあります。

また、法人税の最高税率は、所得税のそれよりも低くなっており、また、医療法人の多くは事業税の支払いがほとんどないため(歯科や婦人科は例外あり)、普通法人よりも実効税率は低くなります。
ですから、法人の利益と院長先生の給与等のバランスを考えながら、役員報酬の決定等を行うことになります。

井上税理士事務所
代表 井上 伸一

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