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其の86 人望とは?

先日、渡哲也さんが亡くなられました。
石原裕次郎さんとの関係は有名です。
特に石原プロの業績が苦しい時に入社されご自分の資金を出そうとされた話は美談として伝わっています。
お二人ともすごいとか石原裕次郎さんの人望はすごいとか言われています。

冷静に考えるとすべての方が石原裕次郎さんに付いていったわけではありません。
むしろ渡哲也さん一人です。

私は、仕事柄多くの会社の経営者や従業員と接しています。
このように、一人でも後継者として育成できている方の方がむしろ少ないです。
ほとんどの企業では、後継者はなかなか育成できません。
大手の上場企業は、組織ができていますから話は違います。

たった一人を育成するために、例えば一〇倍は失敗するのではないでしょうか。
後継者候補に裏切られ、取引先も奪われ会社も弱体化するのが通常です。
そして、後継者の育成をあきらめていく。
このパターンが最も多いような気がします。
家族での事業承継は別です。
日本の場合は、親族への事業承継は割と上手く行きやすく、他人への承継は難しい国だと言えます。

他人への承継が難しい理由はたくさんあります。
税制が支援をほぼしていないという点が多くあります。
親族承継は最近税制も手厚く保護する形になってきています。
結局、オーナー企業では株主がオーナーであるため、他人に承継するには巨額の資金を後継者が用意する必要があるため困難であるという現実にぶつかります。

いわゆる後継者の育成が困難なのは、人望の問題だけなのかという難題にぶつかります。
大手上場企業では、株主が分散しているためむしろそのような問題は起きません。
これが日本の現実です。
逆から言えば、親族で会社を引き継いでいけば非常に有利にできている。
税制上も最も有利にできていると言っても過言ではありません。

芸能プロダクションでしたら、税制の有利不利は少ないと思われますが、このように多くの中小企業ではなかなか人望だけでは解決しえない問題があります。

ではどうしたらいいのか?一つは、親族のように思うと言う事だと思います。
親族と同視するのは無理かと思いますが、自分の子供だったらどう対応するのかを常に考えて接することが重要だと思います。

公認会計士・税理士
藤本 周二

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