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医療法人と税金 法人化のメリット④

これまでは、医療法人のメリットについてお話してきましたが、今回はデメリットについて見ていきます。

経済的デメリットと心理的デメリット

一般的にデメリットといわれる事をお話していきますが、先生方によっては、デメリットというよりメリットと感じられる事もあるかもしれません。
デメリットは、「経済的デメリット」と「心理的(なんとなく嫌だ)デメリット」に分けられると思います。

経済的デメリットとしては、①小規模共済が対象外②スタッフの社会保険への強制加入③法人と個人の財産の分離④法人化後は原則として個人事業への後戻りができない、といったような事項が挙げられます。
最も影響があるのは、「①小規模共済」かもしれません。
法人成りの際は、取り扱いに注意が必要です。
社会保険の取り扱いについては、事業所の魅力として、求人の際にメリットになるかもしれません。
また、「③法人と個人の財産の分離」については、メリットと思われる先生もいるでしょう。
個人診療所では、レジの中のお金を持ってパチンコに行っても大した問題になりませんが、法人診療所で同じことをすると先生への貸付金として処理しなければなりません。
この辺りは、「心理的デメリット」にもなるかもしれませんね。

事業報告書

心理的デメリットも色々とあるかもしれませんが、主に二つが挙げられると思います。
①利益が上がっても直ぐには役員報酬に反映しない②保健所への事業報告書の提出です。
事業年度の途中で思いがけず、売上が増え、多額の利益が出たとしても、それをそのまま院長等(理事)の役員報酬の増額に繋げることはできません。
また、医療法人は毎年、事業報告書を保健所に提出しなければなりません。
診療所の場合は、役員報酬や給与の金額等の詳細な情報の提供は必要ありませんが、どれくらいの利益が出ているかは、その事業報告書を見れば一目瞭然です。
しかも、この事業報告書は誰でも閲覧可能なのです。
私の知り合いの保険営業マンは、この事業報告書を閲覧して、その医療法人に生命保険の営業を行っていました。

井上税理士事務所
代表 井上 伸一

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