open

商店街支援「ゴーツー商店街事業」

新型コロナウイルス感染拡大防止のために停滞した経済を押し上げようと国や自治体はゴーツートラベルやゴーツーイートなどのキャンペーンを企画し、ある程度の成果を上げ始めた。
地域経済に根差す商店街の集客支援や地域活性化を目的とした「ゴーツー商店街事業」もその一つである。
足元の経済に寄与するか注目される。

コロナに振り回された年

新型コロナウイルスに振り回された年。
二〇二〇年は、そういう年ともいえるだろう。
国内で新型コロナウイルスの感染が確認されたのは、二〇二〇年一月一六日に中国武漢へ渡航歴のある男性が最初だった。
その後、感染は徐々に拡大し四月七日には、政府が緊急事態宣言を発令するまでに深刻化した。
対象となったのは、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県の七都県であったが、他の地域でも感染拡大を防止するため独自に緊急事態宣言を発令するケースもでた。

企業では通勤や出張が制限され、それをリモートワークやオンライン会議で代用するようになった。
音楽やスポーツなどのイベント、会議や集会なども中止された。
こうした人の移動や行動の自粛、制限によって飲食店やホテル、交通機関、イベント関連などが大きなダメージを受けた。
病院なども患者数が減るなど影響を受けた。
福岡でも博多や天神が人の姿が激減した。

リモートワークなどの普及を支えるITや通信関連、パソコンやモバイルといった端末の需要が伸びるなどコロナによって恩恵を受けた業界もあるが、全体として景気が落ち込んだことは間違いない。
コロナ関連倒産や失業者数の増加がそれを物語っている。

ゴーツーキャンペーンで商店街も支援

政府は、感染拡大を防ぎながら経済の回復を狙い、深刻なダメージを受けた業界を支援しようとゴーツーキャンペーンを打ち出した。
ゴーツートラベルは、予算の割り振りなどで課題を指摘されたが、利用希望者が殺到し各地の観光地に観光客が戻り、活気を取り戻しつつあるところも多いようだ。
ただ、出張が減ったことで、ビジネスホテルなどの需要が回復していない現状に対する対策はできていないように感じる。

ゴーツーイートにも期待が寄せられている。
ゴーツーイートを活用する利用者が増え、居酒屋など飲食店でも少しずつではあるが、客が増えているようにも感じる。
ただ、店側はコロナ前に比べると座席数を減らすなどの対策が求められるため、低下した収益性をどう回復するのかは今後の課題であると思われる。

そしてこのほど、「ゴーツー商店街事業」が打ち出された。
この事業は、三蜜対策などの新型コロナウイルス感染拡大防止のための対策の徹底と商店街の支援を両立させようというものである。
商店街は、イベントなどを実施し地元の良さを発信したり、地域住民が地元の良さや商店街の良さを再発見するためのきっかけづくりとして活用できそうだ。
そうすることで、商店街と地域の活性化を図ることができると考えられている。

応募できる対象者は、特定の商店街等(商店街その他の商業の集積)の活性化につながる取組を実施できる商店街組織等で、具体的には、商店街組織(任意団体含む)、商工会、商工会議所、温泉街、飲食店街、民間事業者(DMO、まちづくり会社(中小企業に限る) )等が想定されている。

対象事業は、消費者や生産者が、地元や商店街の良さを再認識するきっかけとなるような商店街イベント等の実施で、オンラインを活用したイベントも含まれる。
ほかにも、地域の良さの再発見を促すような、新たな商材の開発やプロモーションの制作も対象となる。

テーマは「気づく」「伝える」「次につなげる」

取り組むべき事例としては、「地域の魅力に気づく」、「地域・商店街の良さを伝える」、「成果を次につなげる」という三つのテーマを掲げている。
ゴーツー商店街のサイトでは、具体的な取組事例として以下のようなものを上げている。

●気づく
・地域の魅力に気づく「商店街ウォーキング」、「買い物コンシェルジェの設置」、「二次元バーコードを使用した非接触型抽選会(オンラインアンケート)事業」
・新しい生活様式に気づく「オンライン商店街ツアー」、「商店主の動画チャンネル」
・地域の絆に気づく「地域の魅力調査と情報発信」「地元の学生との新商品開発プロジェクト」、「地域の一店一商品づくりサポート事業」

●伝える
・地域の魅力を伝える「高校生と作る商店街放送局」、「まちかど博物館」、「地元産品の集まる『商店街の駅』」、「地元産品の良さを感じてもらうリアルイベントの実施」
・新しい生活様式を伝える「オンライン&リアルのライブイベント」、「商店街の今日イチ情報の発信」、「高齢者優先時間帯の設定」「商店街オープンテラス事業」、「子供の見守り空間を兼ねた住民サロンを提供し、暮らしのニーズを把握する」
・地域の絆を伝える「商店街を舞台にしたアート展」、「商店街をキャンパスにしたお絵描き体験実施」、「商店街の魅力を発見するキャッチコピーコンテスト開催」

●次につなげる
・地域の魅力を次につなげる「商店街絶品グルメのレシピブック」、「地域情報を発信するコミュニティ誌創刊」、「地元産品のブランド化」、「オフピーク・ナイトバザール」、「Go To 商店街イベント開催のアンケート実施」
・新しい生活様式を次につなげる「商店街オンライン日曜朝市」、「オフピークスタンプラリー」
・地域の絆を次につなげる「商店街でのクラブ活動」、「既存店の余剰スペースへのShop in Shopの出店」、「既存店の余剰スペースへShop in Shopの出店」、「商店街の地域ハブ化」
などが掲載されている。
新しいテーマなど、情報は随時更新されているので、テーマを設定する際の参考になるだろう。

一申請の上限は一四〇〇万円

事業は令和二年一二月一日から令和三年二月一四日に開始する事業が対象で、参加事業者の応募受付は開始されており、すでに採択された事業もある。

補助額は、三〇〇万円×申請者数+五〇〇万円(二者以上で連携し事業を実施する場合に限る)。
ただし、一申請あたりの上限額は一四〇〇万円。

対象経費は、イベント等を実施するために必要な経費が対象と認められる。
主な対象経費は、地元パフォーマー等の出演費、感染予防用品等の購入費用、アルバイト雇用費用、ウェブサイト等構築費用、宣伝・広告に要する費用、テント等のレンタル費用、ソフトウェア等のライセンス料、商品開発等のコンサルティング費用、地域産品を活用した景品・販促品費、広告物等の印刷・製本に要する費用、デリバリープラットフォーム等への掲載料、イベント実施に必要な運送料など。
一方、対象外となる経費は、プレミアム付商品券・金券等、備品の購入費用、施設整備費用(ハード事業)などである。

問い合わせ先は、Go To商店街事務局、フリーダイヤル〇一二〇・三〇四・〇六〇

地元を応援しよう

地元の店は地元の人間で支えることは忘れてはいけない。
自分たちが世話になった店や施設がなくなることは、地域の損失でもある。
新しい店が生まれ新陳代謝が活発になることは、活性化につながることではあるが、歴史を残していくことも地域の豊かさにつながることではないかと思う。
ゴーツートラベルなどで遠方に出かけることも必要だが、地元をめぐることにも力を入れてほしいと考える。

ふくおか地産地消応援の店

地元支援としては、今回のゴーツー商店街事業のほかにも、福岡県では、年間を通じて県産農林水産物を使用する飲食店・菓子店等を「ふくおか地産地消応援の店」に認定し、県産品の支援を行っている。
対象となるのは、県内において営業している飲食店、総菜店、旅館、ホテル、農林水産物直売所等。
認定を受けるためには、

①県産農林水産物を使用した料理等を年間を通じて消費者に提供していること。
②①の情報を店内、メニュー等に表示するなど、利用者に情報提供していること。
③食品衛生法、米トレーサビリティ法等、関係法令を遵守していること。
④事業主・役員が暴力団員等に該当せず、また密接な関係もない者。
認定を受けた「応援の店」には認定証とのぼりを提供し、「いただきます!福岡のおいしい幸せ」などでお店をPRしている。

福岡の地酒・焼酎応援の店認定事業も

さらに、福岡県は「福岡の地酒・焼酎応援の店」の認定も始める。
県産酒を提供している飲食店を「福岡の地酒・焼酎応援の店」として認定し、消費者にPRするとともに、飲食店に県産酒の使用促進を図り、県産酒の消費拡大を図ろうというものである。
県産酒とは、福岡県酒造組合に加盟している蔵元が醸造している日本酒、焼酎、リキュール等を指す。
事業開始にあたり、登録を希望する飲食店の募集を開始した。
「福岡の地酒・焼酎応援の店」に登録すると、ホームページやスマホアプリで、登録店舗の紹介を行い、店舗への誘客を図るなどの支援も行う。
「ふくおか地産地消応援の店」、「福岡の地酒・焼酎応援の店」ともに、福岡で生まれた生産品や商品の消費を促し、生産や販売に携わる人たちを支援するものである。
事業者としても消費者としても活用したいものである。

よく読まれている関連記事