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111.『ペツェッティーノ』

二〇〇年に一度の大転換期を迎え「風の時代」がやってくるという。
それは価値感が大きく変わることだという。
まずオンライン化。
考えてみればオンライン生活の助走期間のために、このコロナは必然的に到来しただろうか。
そして、価値の大転換は、物質の豊かさよりも精神的豊かさ・・つまり、モノやお金よりも情報や人とのつながりがより大切になることであり、見えるものより見えない心、ヒエラルキー型よりもフラットな人間関係へ、と、大きなパラダイムシフトすることという。

この新しい価値観の中で生きていくために「自分らしさ」というキーワードがある。
そこで、この時代の転換期に自分と向き合う絵本を、今年最終月に選んだ。
小さな存在に自分らしさを与える魔法使いレオ=レオニの作品から「ペツェッティーノ」。
自分を部分品と思っているペツェッティーノが、「ぼくは きみの ぶぶんひんじゃ ないでしょうか」と自分の本体を探していろんな人に尋ねていくというお話。
この問いに「ぶぶんひんが、たりなくて (じぶんの)はず ないだろう」とみんな答える。
最終的に、アドバイスをもらった「こなごなじま」で、うっかり転がり粉々になって初めて、小さな部品と思っていた自分も、たくさんの部分品でできていることを知る。
副題に~じぶんを みつけた ぶぶんひんの はなし~とある。

そもそも、この絵本に学ぶ仕事術は、チームビルディングのために開発したプログラムの総称であるが、今、個人向けに「自分らしさ」に気付くプログラムを背中を押されて開発している。そのトライアルに、マレーシアから参加した子育て中の女性が、自分に足りないこと・弱みについて語った。
私は、「埋めたい、足りない、と思っている意識を、伸びしろという言葉に変えはどうだろう」と提案した。
彼女は後で、本当に楽になったという。

人は足りない部分品を探そうとする。
自分は何かの一部ではない。
自分は自分である。
しかし「しかたない、これが自分なのだ」と成長を止める必要もない。
「もっともっと」と自分らしさに欲を出すことは大切だ。
ドラッカーも「強みを生かす」と言っているように、足りないこと、弱いことに意識を向けるのではなく、今ここにいる自分の強みをさらに磨いたほうがいい。

二〇二一年風の時代の始まりに向けて、自分には伸びしろがあることを信じ、自分の強みをさらに磨く年でありますよう。祈りをこめて今年のエッセイを贈りたい。

有限会社ウーヴル(https://oeuvre.jp/
代表取締役 三宅 美穂子

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