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食と縁が織りなす社会のセーフティネット

食事には生きていくために必要な栄養の摂取という側面と、食を通じた人間的活動という側面がある。
食の問題は、このふたつの側面それぞれの問題を考える必要があるだろう。

前者における問題点とは「飢餓」の問題であり、後者における問題とは「孤食」である。
もちろん、食事はひとりで食べたいという方もおられるだろう。
しかし、ここで問題視されているのは、「孤食を望んでいないにも関わらず、孤食を余儀なくされている」人がいるということである。
この食にまつわるふたつの問題点を解決するための装置として著者が提案するのが「縁食」という考え方である。

近年、全国的に子ども食堂が急増してきているという。
ここ数年で実に十倍以上。
それだけ、飢餓児童の問題が認知されてきた、あるいはゆるやかな繋がりや「サードプレイス」が求められているということではないだろうか。

食の問題は、家庭の問題、とりわけ母親の問題として押し付けられてしまいがちなのが日本の現状である。
孤食を余儀なくされている人がいること。
十分に食事を摂ることができない人がいること。
廃棄されてしまう食物があること。
縁食が社会の「ふち」となり、それらを繋いでくれることを期待せずにはいられない。
子ども食堂や公衆食堂、炊き出しや無料食堂の歴史を紐解きながら、縁食による社会課題解決の方法を模索する1冊。

(株式会社梓書院 前田 司)

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